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肝細胞癌の治療について
内科医師  柳田 公彦

 肝臓癌には、肝細胞癌、胆管細胞癌、転移性肝癌等いくつか種類があります。ここでは、頻度の多い肝細胞癌の治療について述べてみたいと思います。

肝細胞癌の特徴
   肝細胞癌の患者さんの最大の特徴は、肝臓の状態が肝硬変または進行した慢性肝炎の状態にあることです。正常な肝臓には肝細胞癌は発生しないと言っても過言ではありません。肝臓癌は肝臓の働きが低下している肝臓に起こる、このことが治療を行う上で最大の手枷足枷となります。肝臓が悪くなる原因は様々ですが、肝臓癌の出来た人の7割は基礎に慢性C型肝炎を持っているといわれています。2割は慢性B型肝炎、残りはアルコール性肝障害と言われています。

肝臓癌の治療法
大きく分けると、
1.手術(外科での治療)

  肝切除術、肝移植

2.経皮的治療(内科での治療)
 
経皮的ラジオ波焼灼術、経皮的エタノール注入療法
3.血管内治療(放射線科での治療)
  肝動脈塞栓術、リザーバー肝動注療法

の3通りとなります。癌の個数、場所、大きさと肝機能(肝予備能力)で、どの方法で治療を行うかを考えていきます。肝臓癌の治療には、内科、外科、放射線科の3つの科の密接な協力が必要です。そして、治療効果を上げるためにとは、一つの治療方法にこだわらずに治療を行うことが大事です。

肝臓癌の治療成績
 当然のことですが、早期発見、早期診断、早期治療が治療効果を上げるためには欠かせません。多くの施設での治療成績をまとめますと、治療後の5年生存率は、手術が55-60%、ラジオ波焼灼術が55-60%、経皮的エタノール注入療法が50-55%、肝動脈塞栓術では10-20%程度です。これは平均の値ですので、癌の進行度が軽くて肝機能が良い方では、これよりも成績が良くなります。逆に癌が進行していたり(大きい時期に見つかるあるいは個数が多い等)、治療時点での肝機能が低かったりすると、治療成績は悪くなっていきます。
 また、最近は肝癌治療後に肝炎ウィルスに対する治療(例えばC型肝炎関連肝癌の治療後のインターフェロン治療)を行うことで、治療成績が更に向上することが期待されています。

●肝臓が悪いと言われたら
 まず、肝臓が悪くなっている原因を調べましょう。原因が分かったら、治せる肝炎の方は治すための治療をしましょう。治らない肝炎の場合は肝機能がそれ以上悪くならないための治療をしましょう。並行して、肝臓癌の早期発見のための腹部エコーまたは腹部CTを定期的に行うようにしましょう。

 上記のような症状がある方や不安に思われている方は、すぐに当院内科までご相談いただき診察をお受けください。
 
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