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C型肝炎に対するインターフェロン治療について
内科医師 柳田 公彦

 C型肝炎は一旦慢性化すると自然治癒はなく、30-40年の経過で肝硬変に至る病気です。肝硬変になると肝不全や消化管出血を来しやすくなりますし、肝硬変になる手前くらいから肝臓癌の合併頻度が上昇してきます。現時点で、C型肝炎の治癒を目指すためには、インターフェロンという注射薬を使う必要があります。ここではインターフェロン治療の概略と、最新のインターフェロンの使い方について説明します。

インターフェロン治療の歴史
    C型肝炎に対するインターフェロン療法が保険に通ったのは平成3年です。筋注型が24週まで、静注型は6週までという投与期間の制限があり、また再投与はできませんでした。この時期の大まかな治癒率を図1で示します。日本に於けるC型肝炎ウィルスのタイプ(サブタイプ)は1Bが最も多く、ついで2A,2Bの順です。1Bはインターフェロンで治りにくく、2A/2Bは治りやすいウィルスになります。またウィルス量の多少も治り易さに関係します (少ないと治りやすく、多いと治りにくい)。
  平成13年12月にリバビリン(内服)併用が可能となり、インターフェロンの再投与が認められました。平成14年2月よりインターフェロンの投与期間制限がなくなり、必要であれば1年でも2年でも投与可能となりました。この頃より治療の工夫によって治癒率は向上し、5-8割程度の方が治るようになりました(図2)。
 長期間インターフェロンの投与を行うと副作用が問題となります。より副作用の軽いインターフェロンとして登場したのがペグインターフェロンです。ペグインターフェロンには従来のインターフェロンと比べて、

 ・週1回の投与でよい(その代わり注射の度に血液検査が必要)
 ・食欲不振や発熱、全身倦怠感が軽い
 ・注射部位の皮疹は従来型よりも多い
 ・それ以外の副作用の頻度は変わらない 
  という特徴があります。

 製剤としては2剤(ペガシス、ペグイントロン)があり、保険診療を行う場合ペガシスは単独で、ペグイントロンはリバビリンと併用する必要があります。

図1.最初の時期のインターフェロン単独6ヶ月
    投与での治療成績
図2.最近のインターフェロン治療成績
  
(必要に応じ投与期間延長、リハビリン併用を行なった場合)
(ウイルス量)
5% 50%
50% 70-80%
1B 2A/2B
(サブタイプ)
(ウイルス量)
50-60% 70-80%
50-70% 70-80%
1B 2A/2B
(サブタイプ)

治療前に必要な検査と推奨される治療方針について
   インターフェロンの薬剤選択及び投与期間の判断のために、ウィルス量及びウィルスのタイプ(サブタイプ)の情報が必要です。また現在の肝臓の線維化の程度がどれくらいか(どれくらい肝硬変に近いか)を調べるために出来るだけ肝生検(肝臓の組織の検査)まで行うことが望ましいです。この内ウィルス量とサブタイプは外来の血液検査で可能ですが、肝生検は3日間程度の入院が必要です。
 ウィルス量とサブタイプ別の推奨される治療は(図3)の通りです。

図3.ウィルス量及びサブタイプ毎の推奨されるインターフェロン治療の方法
(ウィルス量)
*ペグイントロン+レベトール(48週)
*ペガシス(1年以上)
 イントロンA+レベトール(48週)
 イントロンA+レベトール(24週)
*ペガシス(24週-48週)
 従来型インターフェロン(24週-48週)
 ペガシス(24週-48週)
 従来型インターフェロン(24週-48週)
*ペガシス(24週)
 従来型インターフェロン(24週)
1B 2A/2B   (サブタイプ)
*印はペグインターフェロン

インターフェロン治療の新しい試みについて
   インターフェロンの半年間の投与で、治らない人でも約10年間に渡って肝臓癌の合併頻度が低下することがわかっています。またインターフェロンを少量で長期(1-数年)投与することで、肝臓の線維化の進展が抑制されるという報告もあります。このため、インターフェロンでC型肝炎が治らなくても、現状維持を目標にインターフェロンの少量長期投与が行われるようになりました。

C型慢性肝炎に対する治療は少しずつですが進歩してきています。まずは医師に相談することが治療の第1歩です。
 
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