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膵臓の病気とその治療
〜膵臓の働きと膵臓癌の治療について〜
外科医師  濱津 隆之

膵臓の働き
   膵臓は胃の裏側、背骨の前側にある長さ15cm、幅5cm、厚さ2cmの臓器です。膵臓には主に3つの働きがあり、@食物の消化:膵液(消化液)の分泌、A胃酸の中和:膵液(アルカリ性)の分泌、B血糖の調節:インスリンの分泌です。膵臓系の病気には糖尿病、膵嚢胞、急性膵炎、慢性膵炎、良性の膵腫瘍、悪性の膵腫瘍(膵臓癌)などがあります。膵嚢胞と良性の膵腫瘍、悪性の膵腫瘍以外は基本的には内科系疾患です。

膵臓癌
 最も多いのは膵管から発生する膵管癌であり、予後も最も悪いです。膵臓癌は他の癌と比べても予後が悪く、その理由として膵臓が後腹膜臓器であり癌の浸潤に対して防波堤というものがない解剖学的問題が挙げられます。年々増加傾向にあるのも特徴の1つです。

膵頭部癌(すいとうぶがん)
 膵臓頭にできる癌であり、黄疸を来たして発見されることが多いです。黄疸で発見される場合は手術可能であることが多いために膵臓癌の中では予後が良いと言われていますが、腹部や背中の痛みなどの神経浸潤症状で発見される場合は来院時すでに手術不能であることが多いです。

膵体尾部癌すいたいびぶがん)
 膵臓の真ん中から末端にできる癌であり症状に乏しいために発見が遅れ、痛み、体重減少、全身倦怠感などの症状出現時は手術不能であることが多いです。

膵臓の構造
治療
1.手術療法
 幸いにも手術可能である場合に第一選択として行います。膵頭部癌の術式としては膵臓、胆管、胆嚢、胃の一部、十二指腸を切除する膵頭十二指腸切除術や胃を温存する幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を行い、膵体尾部癌に対しては膵体尾部切除(脾臓合併切除もあり)を行います。外科手術の中でも高難度の手術であり術後合併症の存在も無視できません。他にバイパス手術(癌は取れない)というオプションがあります。

2.化学療法
 いわゆる抗癌剤を用いる治療であり、手術不能の患者さんや手術後の再発癌、再発予防に使用します。現在の主流はジェムザールという点滴用の抗癌剤であり当院では一月に2−3回の点滴治療を通院にて行っております。点滴以外にも内服の抗癌剤がありますが効果としては点滴に劣ります。点滴抗癌剤と内服の併用として用いられます。

3.放射線療法
 手術中や手術後の再発癌などに使用します。手術や化学療法との併用が有効であるという報告もあります。

4.支持療法
 手術不能であるが黄疸を消失させたい場合に胆管にステントという管を留置する方法や、癌性疼痛(癌による痛み)の緩和のために麻薬を使用したりします。

●予後
 根治術(癌を取りきれた場合)例では1年生存70%、3年生存20%程度であり、切除不能例では1年生存30%、3年生存は5%未満程度であるので、消化器癌の中では悪性度がかなり高いことが分かります。

 上記のような症状がある方や不安に思われている方は、すぐに当院外科までご相談いただき診察をお受けください。


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Last up date; 2007.10.19 ©2004-2007 Saiseikai Karatsu Hospital. All rights reserved.